今夏、オランダを拠点にヨーロッパ中で活躍する俳優のヨェップ・ドーレン氏が来日し、朗読、雅楽、舞踏による3つのコラボレーション公演を開催しました。
ヨェップ・ドーレン氏は、ヴァンデルヴァイザー楽派と親密な関係を持ち、Robert Lax(ロバート・ラックス)の詩から、世阿弥、芭蕉のテクストまでを網羅する声の思索的探求者。昨年、ドイツ、オランダでツアーを共にした仲間と、この夏、東京で再会を果たしました。今回の来日公演は、彼の来るべき作品「季譚 kitan; a seasons tale」の創作過程そのものであります。
雅楽演奏は、雅楽トリオ千歳の石川高氏(笙・歌)、中村仁美氏(篳篥・箏)、角田眞美氏(龍笛)。舞踏は、「友惠しづねと白桃房」の加賀谷早苗とメンバーの特別出演によりお届けしました。
春夏秋冬の間に土用という西洋にはない5つ目の季節があることに心惹かれたヨェップ氏は、ちょうど夏の土用の期間(7月19日~8月6日)に日本に滞在し、「季譚 kitan; a seasons tale」の創作に取り組みました。
雅楽の調べは、五行説では季節とも結び付けられおり、3つの公演ともに、異なる調べで展開され、日々新たな作品が生まれていきました。
また、ヨェップ氏の朗読とのコラボレーションはもとより、雅楽古典曲と舞踏の共演や、「友惠しづねと白桃房」の主宰者であり作曲家の友惠しづね作曲による作品が雅楽演奏され、舞踏との共演を果たしたことも見所となりました。
3つの公演ともに、満席のお客様にお越し頂きました。皆様の眼差しに見守られ、充実した3つの公演が生み出されましたことに、心より感謝申し上げます。
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